スタッフ インタビュー
STAFF INTERVIEW
異業種から建築業界へ
「ものをつくる仕事がしたい」が原動力
武島 琴音 | BIMエンジニア
理系音痴、でも建築の仕事がしたい!
数学も物理も苦手で、高校生の時は当然のように文系を選択し、大学の国際社会学科に進学しました。大学卒業後は旅行代理店に入社、ツアー旅行の企画業務を担当していました。ですがこれまでの自分のキャリアが、“かたちにならないもの”に感じてしまい、「ものをつくる仕事がしたい!」と考えるようになりました。その時、自分のなかでは「ものをつくる仕事=建築」であり、ほかには思い付きませんでした。父親が建築関係の職業だったため、知らず知らずのうちに身近に感じていたのかもしれません。
その後、職業訓練校で建築分野を1年間かけて学んでいる最中に、BSIに会社見学に訪れる機会がありました。実務の様子や図面を見せていただき、「こういうことに携われたらいいな」とあこがれを抱きました。このことがきっかけでBSIへの就職を希望し、卒業後の2020年4月に、BIMエンジニアとして入社しました。
大好きな旅行はリフレッシュできる大切な時間
(数年前、タイを訪れた際に寺院にて)
実務を通してだから学べること
ところが入社とほぼ同時にコロナ禍となり、BSIでも出社を制限する方針となりました。リモートでは新入社員に業務の指示をすることが難しかったようで、実プロジェクトの担当メンバーになったのは、入社から約半年後でした。木造平屋建ての青森市内の福祉施設『幸畑福祉館』は、先輩スタッフに指導を受けながらも、初めて一連の図面を担当させてもらった思い出深いプロジェクトです。
手描き図面やCADは、職業訓練校でも経験する機会がありましたが、BIMは私には未知の世界でした。機能が多くて難しいツールではありますが、設計中の建物を3Dで見ることができるため、建物全体像を理解しやすく感じました。特に私は、目にする機会の無かった基礎部分が、図面を描いていても正直イメージできていなかったのですが、BIMモデルで全体像を見たことで初めて納得できた気がします。
最初は分からないことだらけで、エンジニアに聞くべき内容なのか、それとも図面担当が知っているべき基本的なことなのか、その区別がつかず迷うこともありましたが、徐々にエンジニアの方にも臆せず質問できるようになりました。自分が担当したプロジェクトの施工現場に同行させてもらった時は、図面を元に建築ができていくことを実感すると共に、何を見ても新鮮に感じました。
図面を担当した青森市の『幸畑福祉館』
(建築設計:須藤大建築設計事務所)
かたちになる喜び
“ものをつくる仕事”につくことを目指して学校で学び直し、全く新しい業界に飛び込んで約2年半。理数系が苦手だった高校時代の私を知る友人には、「建築図面なんて描けるの?!」と驚かれますが、BIMソフト(Revit)で全ての構造図面を描くプロジェクトにも、これまでにいくつか携わる機会があり、竣工時には施設見学もさせてもらいました。
BIMマネージャーの平野には、「今は任せられることも増え、私が手を出さなくても業務が進んでいるのを実感し、成長を感じている。上下関係ではなく、チームメンバーとして協働していきたい」と言われ、嬉しくもあり、身の引き締まる思いです。
月並みかもしれませんが、自分が描いた図面が“かたち”になったのを見た時は、設計図通りに建築ができていることに感動すると共に、嬉しさがこみ上げてきます。最近は、規模の大きなプロジェクトを担当させてもらったり、外部からBIM業務を依頼されたプロジェクトでは、クライアントと直接打合せを行ったりもしています。
BIMも建築も学ぶことがまだまだたくさんありますが、自分の想いに正直に向き合い、得られたチャンスであるBSIの環境に感謝しています。建築に縁のなかった私ですが、多くの方から信頼してもらえるような仕事を目指していきたいです。
BIMソフトを用いて図面を作成する業務が増えている
(2022年10月、
インタビュー担当:勝本恵子/ウィーブファクトリー)